
学習院大学硬式野球部 部長 眞野 泰
学習院大学の入学式や卒業式では学習院歌を歌います。その四番では、「おのがじし育て鍛へて、もろともに世にぞ捧げん」と歌うのです。本学の硬式野球部に入られたならば、どうぞ、勉学と野球によって頭と心と体を鍛え、世の中の役に立つ人間になってください。
むろん、頭脳と精神と身体を強くするには、みなさん自身の努力が必要です。しかし、その努力が実を結ぶためには周囲の理解と協力も欠かせません。環境も重要です。この二つの条件が学習院大学硬式野球部には揃っています。
大学で自分を育て、社会に貢献できる人間になりたいという志のある方は、安心して入部してください。

学習院大学硬式野球部 監督 栗山 隆二
学習院大学硬式野球部は、今年、1889年の創部から135年を迎え、国内大学野球26連盟の中で最強と言われている東都大学野球連盟の3部に位置しています。我が野球部の過去においては、旧制高校時代のインターハイでの全国優勝、1958年秋の東都大学リーグ1部優勝など輝かしい歴史があります。その後、1982年秋の入替戦で2部から3部に降格して以来現在に至るまでは、何度も3部優勝を経験しましたが、入替戦に敗退して2部昇格には至っていません。
我々は学生スポーツの原点である「文武両道」にこだわり、チーム一丸となって練習を重ね、体力・技術・精神力を磨きチームワークを駆使して他大学に立ち向かう決意は依然として変わっていません。また、「礼節・規律を重んじること」「相手を思いやること」「まわりの人に感謝すること」「闘争心を持ち、決してあきらめないこと」を継続・励行することを常に心がけています。
グラウンドでチームの仲間(先輩・後輩)とともに汗を流し集中して練習できる人は、社会人になっても必ず一生懸命生きていくことができます。人間形成の原点はグラウンドでの練習にあります。
最近の学生に多くみられるのが、チームの意にそぐわない個々の行動や言動に対してだれも「ダメ出し」をしない(できない)ことで、あたかも何も言わないこと(言えないこと)を美徳と思っているように振る舞うことに対して、私はとても憂慮しています。このことを練習の場で選手に考えてもらい、「自分」はどうあるべきかを自己判断してもらう場にして欲しいと強く望みます。
社会人となっても新入社員など経験の浅い者を叱ることや注意することもしないで考課してしまう風潮があります。社会人になる前に野球部という全体生活の中で「ダメなことはダメ」とはっきりと正確に伝えられるよう成長する場にできたらと強く思っています。
平日の練習時間は12時から15時までと決して長いものではなく、その時間内に授業がある者は授業優先で練習できませんが、毎日朝7時からの早朝練習で練習不足を補うなどの工夫も行っています。この3時間足らずの平日練習と技術習得・体力アップが十分でない者は、各々自主的に個人練習を行わないと、東都3部リーグの他チームに太刀打ちできないことになるので、そのことに自ら気づいて行う者とそうでない者の差が1~2年の間にハッキリとあらわれてきます。
大学の4年間は長いようで過ぎてしまえばアッという間に感じるでしょう。卒業後、社会人になってからも立派に社会貢献ができるように、自分を磨く4年間にしてみませんか。
強い熱い志を持った高校球児のみなさん、ともに目白のグラウンドで汗を流そうではありませんか!